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徒然なるままに〜(協会WEB連載) 『メンタル&フィジカルタフネス』 November,2002 text by Koji Ida
ライバルに打ち勝つために。
自然の猛威に立ち向かうために。
そして、幸運を勝ち取るために。
この競技に取り組む者は、強くならなければならない。
精神的にも肉体的にも。
あなたは今、どれくらいタフですか?。
自分のタフネスが不十分と思っておられる人は、寒い冬の間にトレーニングについて学び、そして強化しましょう。
今回は精神面、体力面の強化について。
私は弱い。精神的にも肉体的にも。自分の目標を達成するために必要なタフネスは身に付いていない。
しかしながら、昔よりはマシになった。誰でも正しいトレーニング方法を学び、それを実践すれば少しづつでも自分自身のパフォーマンスを向上できる。大切なのは学ぶこと、信じること、そして継続すること。
最近継続が出来ていない私の心に、自分で書きながらもグサグサ突き刺さる言葉だ。
私は正式なメンタルトレーニングに取り組んだことはない。ただメンタルトレーニングの本は数冊読んだことがある。
メンタルについての本は奇麗ごとばかりが書いてあるので非常に読み続けるのが困難だ。読んでいる途中でむかついてくるので、何冊かは最初の段階で読むのをやめてしまった。メンタルトレーニングを取り入れるかどうかは、その人の観点によるものなので何とも言えないが、メンタルトレーニングがどのようなものなのかを学ぶことは決して無駄にはならないであろう。
オススメする本は「メンタルタフネス」 (ジム・レーヤー著)。
多分、この手の本の中では一番売れており、既に読まれた人も多いであろう。このページでメンタルトレーニングのこまごまを書くよりも、その本を読んで頂いた方が正確で速い。
その他に私がメンタル面向上の為に役に立つと思う文献は、
「スラムダンク」 「グラップラーバキ」 「バカボンド」 「餓狼伝」 「あしたのジョー」
・・・。
ごめんなさい、全部マンガでした。
という訳で、色々な本を読んで私は学んできた訳ですが、それをどのようにヨットレースで活かすか?というところが一番重要です。というか、活かせなければ意味がないのだ、マンガ以外は。
ヨットレースにおいて、精神面を鍛える意味は大きく分けて3つあると私は考えている。
ひとつは、目標を達成するという強い意志を持ち、それを継続させられること。
二つ目は、目標とするビックなレースで緊張しないためのビックなハートを持てること。
三つ目は、レース中にベストな選択を可能にするための適度な緊張感と平常心を保てること。
あなたは、目標を達成するという強い意志を持ち、それを継続させることができますか?。
目標を設定したり、それを達成したいと思うかどうかは、他人から指図されるものではなく、自分自身の中で自然発生しなくてはなりません。他人から押し付けられた目標では、意志の継続は困難ですし、しかも面白くない。
目標が持てないのであれば、それはそれで悪いことではないと思う。
しかしながら、目標を持たない人間よりも、目標を持っている人間の方がカッコイイと私は思う。
同じ目標を持っている人間でも、より大きい目標を持っている人間の方がカッコイイと私は思う。
同じ大きな目標を持っている人間でも、達成できなかった人間よりも、達成した人間の方がカッコイイと私は思う。
私は私の思うカッコイイ人間になりたい。
故に私は大きな目標を持ち、達成するまで諦めたくはない。
そんな単純な考えで競技を続けている私は、他人の目から見れば非常にカッコ悪い人間に見えるのであろう。
私はこの自分の考えを他人に押し付けるつもりはないし、周りの人もそうあって欲しいなどとは思わない。
目標を持たないのであればそれで良いと思うし、目標が達成できなくても構わないと思う。そんなことで人の優劣をつけるものではないと思う。
でも、目標を持って達成したいと強く思い、努力している人を見ると応援したくなる。「がんばれ〜」って声を掛けるだけですが。
もしもあなたが目標を持ち、その目標を達成したいのであれば、強い意志が必要である。
強い意志なくして目標が達成されたのであれば、それは大した努力を必要としない低い目標であったか、もしくはあなたが天才であったかのどちらかであろう。
しかし私は、天才や才能とかの存在を否定します。
すべの結果は、努力の質と量のみに関係すると信じるようにしています。
レースに負ければ、自分の努力が足りなかったと思うし、勝った人が結果に見合った努力を積んできたのだなと思うようにしています。
そう思わないと練習する気がしないでしょ。
自分の持って生れたものが他人と変わらないものと思っていたら、練習に対して妥協も手抜きもなくなります。
あなたが大学からヨットを始めて、ジュニアや高校から始めた選手に勝てないと思い込んでいるのなら、その考えを変えるべきです。
ジュニアや高校から始めた選手は、あなたがヨット競技に取り組んでいない期間にヨット競技について努力していた訳であり、その努力の合計の差が現在の差になっている訳です。
それは決して持って生れた才能の差によるものではありません。生れてから現在までの努力合計の差です。
しかしながら、大学からヨットを始めたあなたも、高校までヨットはしていなくても、それ以外の競技や他のことによって、色々学び、努力をしてきたはずです。
ヨット競技歴の時間差がそのまま競技力の差ではありません。
あなたの意志次第で、大学4年間のあいだに人生の努力合計で追い付き、追い越すことが可能であると思います。
自分自身でそう思えるようになって、初めてスタートラインに立てるのだと、私は思います。
あなたは、ビックなレースで緊張しない為のビックなハートを持っていますか?。
私は非常に緊張します。
中学校の時の合唱コンクールでも緊張しました。
今までの努力の成果を出すべき本番の場面で、緊張しない奴なんて存在する訳がありません。
それまでの努力の度合いが高ければ高いほど、払ってきた犠牲が大きければ大きいほど、その緊張も膨張していきます。
その緊張に対処する方法ですが、私も緊張するので良い答えは準備できません。
ですが私の実践しているのは、まず「誰だって緊張するのだ。私も緊張して当然。悪いことではない。」とその緊張を受け入れてしまうこと。
開き直りってやつですか。
緊張することを受け入れ、その緊張感をストレスではなく刺激に換えてやります。その刺激も余り良い気分のものではないですが、ストレスとして感じるよりはマシになります。
また、目標の大会の1ヶ月前くらいから強制的に緊張を高めていきます。
ロッキーのテーマとか興奮する音楽を聴いたり、カレンダーのレース当日のところに印を入れて毎日見るようにしたり。
1ヶ月前くらいからこんな作業を繰り返して早目に緊張しておけば、レース本番くらいには緊張することに疲れてしまい、緊張することがアホらしくなって適度にリラックスすることが出来ます。
学生の頃なんか、この作業のためにロッキーT〜Wを連続で何回ビデオで観たことか。
ちなみにロッキーXは観ても全然気持ちが盛り上がらないので観てはいけません。
緊張しないようになるための一番のトレーニングは、やはり場数を踏むこと。
経験を積むことにより緊張しないようになります。
私も昔は地方予選でも緊張して、第一レースのスタート時に足が震えたりしていましたが、いまは国際レースにいってもへっちゃらです。
皆さんもどんどんレースに参加し、その練習レースを如何に本番のつもりで緊張感を持って取り組めるか。
そして緊張に慣れ、緊張を楽しめてこそ、ビックなハートを手にすることができます。
それでも緊張してどうしようもない人には、大会期間中にカルシウムの錠剤を摂取することをオススメします。カルシウムを十分にとればイライラしないそうです。
こんな時、あなたの頭の中は何を考えていますか?
『スタートで失敗して3線スタートになってしまい、先行艇の乱れた風しか受けられず、自艇がブッ止まってしまい、艇団は遥かかなたにスイスイ行ってしまった。』
『上一でスタート即タックして右にグングン伸ばしていったら、左にバックリ風が振れて、上マーク順位は40〜50位くらい。前に艇が多すぎて自分が何番目か数えられない。』
『陸上で成績表を見たら、今日行われた3レースの内、2レースがリコールで失格だった。明日からもレースはあるが、もしも自分のリコールがなければ団体戦の成績は現時点で楽勝トップ。でも僕のリコールのお陰で団体8位だ。』
その時、あなたはこう考えているのかもしれない。
「何であんな失敗スタートをしてしまったのだ!30秒前に風下に割り込んできたアイツが悪い!こんなスタートだったらまたツボってしまうよ。帰ったら先輩に怒られるかなぁ」
「あ〜、なぜ途中で左にタックを返さなかったのだろう。最初の右振れでタックしておけば良い順位だったのに・・・。一緒にスタートしたアイツは上マーク3番くらいで廻っていたじゃないか。最初からアウター側でスタートした方が良かったのかなぁ」
「なんで俺がリコールなんだよ?どこで出たっていうの!?俺がリコールならアイツもリコールじゃん。このまま団体8位だったら俺の責任じゃないか。ああ、今日のレースが全部ノーレースになればいいのに・・・。」
あなたは、考えるだけでは気持ちが落ち着かず、パートナーに罵声を浴びせたり、殴ったり、蹴ったり。
普通の人間ならば当然発生する現象、“過去の失敗に対する後悔”というものです(普通の人間は殴ったり蹴ったりはしませんが)。
ですが、あなたはヨットレースに参加している以上、普通の人間のままではいけません。
この瞬間、あなたは普通の人間ではなく、無敵のスーパーセーラーに変身し、その役を演じきらなくてはならないのです。
“過去の失敗に対する後悔”をしている間、あなたはテルテールに集中していないし、ヒールバランスにも集中していないし、セールのカーブも確認していないし、次の瞬間に艇に当たる波もブローも確認していないし、次のマークの位置も見ていないし、反対側の海面のブローも見ていないし、他艇の角度や状況も確認していないし、次にどのポイントでタックするかも考えていないし、コンパス角度も見ていないし、ミートする艇も見ていない。目には見えていても頭には入っていない。
陸の上でもその日の失敗を後悔しているうちは、翌日の気圧配置図を見て風の傾向を予想する訳でもないし、ボートを磨いてポテンシャルを向上させようとしている訳でもないし、ストレッチで体をほぐして体調を整えている訳でもない。
簡単に言うと、現状の悪い状況を打開するためのことを何一つ考えていないということです。
無敵のスーパーセーラーは“過去の失敗に対する後悔”なんて一切しません。
常に現在自艇の置かれている状況を認識し、次の展開を想定し、ベストの選択をして、それを実行し、最善の結果を生み出す。
それが無敵のスーパーセーラーです。
あなたは、そうならなければならない。
極論を言えば、レース中に「勝ちたい」と思うことすら無駄時間。
私自身がこのことを出来ている訳ではありませんが、この“過去の失敗に対する後悔”をしてしまう時間を最小限に押さえようと心掛けています。
後悔はレースが終わってから、大会が終わってからでも十分間に合います。しかしながら、悪い順位を挽回するのはレース中しか出来ません。総合順位を挽回するのは大会期間中しか出来ません。
誰もが解っていながら、実践するのは非常に困難な作業です。一番大切なレースで実践できるよう、日頃の練習レースから心掛けてみてください。
“集中力”という言葉があります。
学生の皆さんもコーチや監督や先輩から、
「もっと集中しろ!」 「集中力を持続させろ!」
という教えを何度も貰っていると思います。
でも“集中力”って、なに?
ということを若い頃(今でも若いつもりですが)の私は疑問に思い、本屋さんに行って『集中力』という題名の本を買いました。
誰が書かれたかは覚えていません。その中の表現では、心理学の用語の中に“集中力”とか“集中”というものは無いらしく、一番近い用語は“注意”という表現だということでした。
何に注意を払うか。 その注意を一点に集中するか、複数に拡散するか。
ということが書かれていました。 その本に書かれていたことはこれくらいしか覚えていないのですが、この“注意”のところが非常に重要なことだと思いました。
レースで最も大切なスタートのときに何に“注意”を払うか。
スタート前であれば、風向風速の変化であり、スタートラインと自艇の距離であり、自艇風上側風下側の艇の動向であり、艇団の動きであり、潮流の方向とスピードであり、自艇の方向とスピードとヒールバランスであり、スタート号砲までの残り時間であり、自艇のセールのはらみ方であり、本部船の人の目線でありと、注意を払う点が広範囲に複数点あります。
逆にスタート直後であれば、自艇のスピードのみ。テルテールの動き、ヒールバランス、セールのカーブ、艇に当たる波、次にくるブローと、この場合は自艇の中もしくは自艇の極近い範囲に注意を払う項目が限られます。
この注意の切替が非常に重要なことであり、意識的に取り組まなければ身に付かないことかと思います。
それを「集中しろ!」の一言で片づけられると、教わる側も聞き流してしまいます。
「こんな場面では、これとこれとこれに注意を払おう!それ以外は気にするな」という風に教えられると解り易いでしょう。
教える側も教わる側も、どの場面で何に注意を払えば良いか?自分で考えましょう。
前段でご紹介した本“メンタルタフネス”の中に、メンタルタフネスを実現するための重要な項目として、フィジカルトレーニングが挙げられています。
「健全な体には、健全な精神が宿る」ということなのでしょう。
スポーツ競技において、肉体的に余裕があれば思考回路にも余裕がでますので、素早い思考とベストな選択が実現できるようになります。(たぶん)
また最近の研究では、フィジカルトレーニングで生じるストレスを解消するためと、大きなレース等での緊張によるストレスを解消するために脳から分泌されるホルモンは、同じ種類のものであることが判明しています。(本当かな?)
このことにより、フィジカルトレーニングを積むことがメンタル面向上に繋がっていることが科学的に立証されていることになります。
私が書いているので信憑性に乏しいですが、精神的に強くなろうとすれば、体を鍛えることも忘れずに、ということが言いたかったのです。
肉体的ストレスに強くなれば、精神的ストレスにも強くなれる。
陸上短距離のモーリス・グリーン選手や朝原選手は、顔の表情つくりのトレーニングをしているという記事を雑誌か何かで読んだことがあります。
頭で考えていることが顔の表情に出る。苦しい時は苦しい顔になりますし、おかしい時は笑います。これは普通のことですが、最近では顔の表情が逆に感情に影響を与えるということが言われています。これもどこかの偉い先生が研究したのでしょう。
陸上短距離のトップアスリートはこれを活用し、力みの無いクールな表情を作って走れば、力みの無いクールな走りが出来ると考え、表情つくりのトレーニングをしているそうです。
私もこの記事を読み、ハイクアウトしながら笑ってみたりしてみました。
全然楽しくなりません。
ですが、辛い辛いハイクアウトをしながら、ずっと歯を食いしばって眉間に皺を寄せていても適切な判断は出来ません。というか、ドンドン辛くなるから、何も考えなくなってしまいます。
という訳で、ハイクアウトのときに歯を食いしばらない、眉間に皺を寄せない表情つくりを皆さんも試してみて下さい。ハイクアウトが楽しくなるかも。
フィジカルトレーニングについても、専門書を読んでトレーニング方法を勉強してから始めた方が良いでしょう。
正しいトレーニング方法を身に付ければ、効率的にパフォーマンスを向上できますし、故障の発生も防止できます。
フィジカルトレーニングの種類は、自身の最大筋力を向上させるためのもの、ヨットレースで使える体を造り上げるためのもの、試合の為にコンディションを調整するためのもの、と私は3つに意味を分けて考えています。
この3つを目標とするレースの日から逆算してトレーニングのスケジュールをたてましょう。
例えば、1月からトレーニングを始めて、8月末のインカレ予選を最大の目標とするのであれば、1月は導入期として、ランニングや球技でのレクリエーションを取り入れたトレーニング。2〜4月は筋力アップを目的としたウエイトトレーニング中心のメニュー。5〜7月は心肺機能や瞬発力を高め、レースに使える体を造るためのインターバルトレーニングや筋持久力を高めるトレーニング。8月はクールダウンのために軽いランニングやストレッチの時間を多めにしたトレーニングメニュー。
あくまで一例ですが、こんな具合にスケジュールを組んで、本番に万全の状態で挑めるように準備することをオススメします。
ここで注意しなければならないのは、トレーニングによって故障やケガをしないこと。
学生の皆さんは、学生のうちに結果を残そうと思えば、海上練習で技術を磨くことが上達への一番の近道です。フィジカルトレーニングは重要なことですが、スナイプは筋肉で速く走る訳ではありません。あくまで風で走る乗り物ですから、オーバートレーニングだけは決してしないように気を付けて下さい。陸上でのトレーニングで怪我をして、海上トレーニングが出来なくなってしまっては逆効果になってしまいます。「オーバートレーニングになるから〜」と言って、すぐにトレーニングをやめてしまうのもいけませんが。
スナイプ級で筋疲労の溜まることは何かと言えば、一番はハイクアウト。誰もが好きなハイクアウト。ハイクアウトが楽になればどんなにレースが楽しくなることか。ハイクアウトで使う筋肉は、大雑把に挙げると、前頚骨筋、大腿四頭筋、腹直筋の3つです。
前頚骨筋とは、ふくらはぎ前側の部分の筋肉で、爪先を上げる時に収縮する筋肉です。フットベルトに足を掛けているときにこの筋肉が使われています。前頚骨筋は鍛えるのが非常に難しい筋肉の一つですが、皆さんも強風の練習やレースの後にその部分に疲労を感じることがあると思います。皮製の固いブーツを履くことで、前頚骨筋の負担は多少和らげることが出来ますが、出来ればトレーニングをして強化しましょう。
大腿四頭筋は太もも前側の筋肉です。スクワットやレッグエクステンションのトレーニングで強化することが出来ます。レッグエクステンションで大腿四頭筋を専門的に鍛えるのも良いですが、できればスクワットを多目に取り入れ、大臀筋(おしりの筋肉)も同時に鍛えましょう。コクピット内でバランスを取ったり、タックやジャイブで移動したりする時に、低い重心姿勢を保つことができるようになります。
間違ったフォームや過剰な負荷でのトレーニングは故障の原因になります。専門書などで勉強してからか、トレーニングジムに通っている人はジムのトレーナーさんに教えてもらってからトレーニングに取り掛かりましょう。専門書を御探しの方はワールドウイングジム主宰の小山先生の書かれた“新トレーニング革命”をオススメします。超専門的なことがビッシリと書いてあるので、まず理解することができません。私も読破できず、知り合いのスポーツトレーナーに貸したきり返ってきません。
大腿四頭筋を鍛える場合には、太もも裏側のハムストリングを鍛えることも併せて行いましょう。裏表両方鍛えないと体幹バランスが崩れてしまい、故障の原因になるそうです。
腹直筋を鍛えるトレーニングは色々紹介されていると思いますが、私の場合は10〜15kgくらいのダンベルを胸のところくらいで保持しながらシットアップするのが、ハイクアウトを楽にするには一番効果的かな〜と感じています。
これだけで腹直筋が効果的に鍛えられる訳ではないですが、ダンベルによって負荷を与えると腹直筋がその負荷を記憶するので、ハイクアウトのときには体が軽く感じます。またハイクアウトしながら前後バランスをとるのに体をムービングできるよう斜腹筋等も鍛えた方が良いでしょう。大腿四頭筋の場合と同様に脊柱起立筋を鍛えることを忘れないようにしましょう。脊柱起立筋も鍛えることによりヘルニア等の腰痛を予防することができます。
スキッパーならばメインシートコントロール、クルーならはジブシートトリムやランチャーアップ、いわゆるロープを引く作業が筋力を必要とするところかと思います。単にロープを引くと言っても、ハイクアウトしている状態、オンデッキの状態、コクピットに立っている状態と、色々な姿勢があるので、色々な筋肉を使用することになります。
シートを握る為の前腕筋群から、上腕二頭筋、三角筋、僧坊筋、広背筋、大円筋、脊柱起立筋、…。こういう風に使う筋肉を挙げてみると結構スナイプも全身運動ですね。取り敢えず、ウエイトトレーニングが初めての人は、上半身強化についてはバランスも考えて、大胸筋、広背筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋を鍛えるトレーニングをしていけば良いかと思います。それによって周りの他の筋肉も鍛えられれます。
ウエイトトレーニングについて詳しい人が知り合いにいれば相談に乗ってもらって、怪我をしないように注意し、根気強く継続していきましょう。根気の弱い私は全然マッチョになれません。しかも最近は中年オヤジモードが悪化し、ビール腹が酷くなってきました。これから私も努力しますので、皆さんも頑張りましょう。器具を使ったウエイトトレーニングだけでは気が滅入って飽きてくることもあると思いますので、プールでのトレーニングを取り入れたり、球技でのレクリエーションを取り入れたりと、気分転換も含めながら工夫していきましょう。取り敢えず、体を動かす時間を増やし、徐々にステップを踏みながら進めていくのが良いと思います。
体重コントロールを目的にトレーニングされている選手も多いと思います。チューニングガイドや雑誌などにも“スナイプ級のベスト体重はペアーで○○〜○○kg”なんてことがよく書かれていますので、皆さんも自分たちの体重に注意していることかと思います。
しかしながら私はとくに気にしていません。私達ペアは合計約140kgなので、他のペアと比較すると重い部類に入ると思います。しかしながら、微風域やフリーのスピードで体重の軽いペアに対してそんなに差を感じたことはありません。確かにそんな場面もありますが、圧倒的差ではありません。
例えその風域でベストな体重がハッキリと分かったとしても、レース本番でどんな風が吹くか分かりません。海外のレースに出ると、大きい人も小さい人も色々いますが、体がどうであれ速い奴はどんな風でも速いです。
レース本番で吹くだろうと思われる風域に合わせて体重をコントロールしようとするよりも、レースを乗り切る体力を身に付けること、体脂肪率を落とし無駄な搭載重量を減らすと共に、動き易い体をつくることの方が重要だと思うのです。
体力の足りない人が体力を付けていけば自然に体重は増えていくと思いますし、体脂肪率の高すぎる人が動ける体を作るためにトレーニングすれば体重は減っていくと思います。
そうすれば自然と競技選手としてのベスト体重に近づいていくでしょう。
精神面と肉体面の強化について、私はこんなことを考えているのですが、結局考えるだけで全然実践できていないので、今でも弱ッチイままです。
頭デッカチは駄目ですね。皆さんにつきましては、頭デッカチにならず、行動重視でトレーニングを進めて頂きますようお願い致します。 ■
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