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ディンギーノッてる?(KAZI連載)
『勝手な五輪改革提案(後編)』 May,2007 text by Koji Ida
前回、まったく無責任な五輪改革案、新艇種の開発および種目数の削減について述べさせていただいた。今回はその続きである。
とりあえず、オリンピックは変わらなければならないのだ。
だって、テレビに映らないんだもの。現地へ観戦に行けない僕ら庶民としては、テレビで応援するしかないのだ。
最近ではウェブサイトでの動画配信もあるだろうが、それはセーリング競技にもともと興味を持っている人しか観ないだろう。一般大衆が自らアクセスしてくれる訳ではない。
ということで、今回は「如何にメディアを惹きつけるか」をテーマにし、いろいろな提案をしてみたい。
まず、一番テレビ向きなのがウィンドサーフィンと思う。文字通り、選手がサーファーなので格好いい。もっともっとウィンドサーフィンを前面に出すべきなのだ。
コースレーシングだけでなく、ウェイブやフリースタイルも種目に採用してみてはどうか。スノーボードのハーフパイプなど、X−GAME的な競技も最近ではどんどん五輪に採用されているのだから、セーリングでやっても不思議ではない。
正式競技が無理ならば、フィギアスケートのようにメダリストたちだけのエキシビション・ショーにしてもいい。
スノーボードクロスを真似て、4〜5艇がリーチングのスラロームだけで「セーリング・クロス」なる競技を試みてもいいだろう。1レース10分くらいのジグザグのスラロームコースで、勝ち抜き戦をするのである。
このセーリング・クロスなら、ハイパフォーマンス・スキフでも出来るはずだ。セーリング競技が映像にされにくい理由のひとつに「レース時間の長さ」がある。それを解消するためには、このセーリング・クロスが一番だ。
また、正式種目数を減らした代わりに、国別メダル獲得数の上位チームによる「キールボート・エキシビションレース」を大会の最終日に企画する。35〜40フィートのワンデザインボートを数艇準備して、国対抗のレースを実施するのだ。
オリンピックに出場するセーラーたちなら、突然キールボートに乗っても大丈夫だろう。マッチレースのトーナメントにしてもいいかもしれない。これに出られない国の選手は、自分たちのディンギーなどに乗って観戦しながら追走し、お祭りムードを盛り上げるのだ。
この風景はとても華やかな映像になるだろうし、選手たちにとっても、「レースが終わって、ハイおしまい・・・」というよりは、こういったイベントがある方が嬉しいはずだ。
とりあえず、これらが僕の提案する五輪改革案である。気ままに考えたので、まず採用されることはあり得ない。実際にやろうと思えば、相当の時間とエネルギーが必要だし、その結果、成功するとも限らない。
しかしながら、もしも実現され、新しく生み出された五輪用艇種が「競技用セールボートのスタンダード」として世界的に普及して、大衆に認知されたらどうだろう。
道具が統一されることによってマーケットでのコストも削減され、選手たちがより安価にハードを揃えられるようになるのではないか。
いろんなエキシビションを開催すれば、より多くの人がセーリングに興味をもってくれるのではないだろうか。
僕ごときがこんなことを書けば、また偉い人たちに怒られると思うが、いまのオリンピックのセーリング競技は、「当事者たちだけの五輪」であるように感じてしまう。
もっと競技人口の底辺拡大のために、オリンピックという最強のコンテンツを活用して欲しい。そして何よりも、会社帰りにスポーツバーで、「ニッポン頑張れ〜!」と大声で叫びながらビールを流し込み、生中継でメダルレースを観戦したい。
いつか日本のセーラーが金メダルを獲るのと同じように、そんな日が来るのを楽しみに待っていたいのだ。 ■
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