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ディンギーノッてる?(KAZI連載)

 

『夏はやっぱり水遊び』

Aug,2007

 text by Koji Ida

 

 

 

「ノッテませーん!」。

 

僕は今シーズン、この連載のタイトルに返答するのであれば、こう言わねばならない。

 

すでに世の中は真夏に突入しているというのに、僕は5月に2回ほどスナイプに乗っただけ。仕事も年相応に忙しくなってきたし、週末くらいは家族と一緒に過ごしたい、というのもある。J24には定期的に乗っているのだが、同じヨットとは言ってもディンギーとはやはり違う。

 

次の週末こそディンギーに乗るぞ!と思っていても、毎週のようにいろんな用事が空から降ってきて、「神様は僕を海から遠ざけようとしているのでは?」と思えるような日々が続いている。

 

ついつい自分がディンギー乗りであることを忘れてしまうくらいだ。

 

 

でも気温が上昇すると、喉が渇いてビールが欲しくなるのと同じように、ディンギーに乗りたい気持ちがうずうずと湧いてくる。

 

といっても直ぐに乗りに行く時間が確保できないので、とりあえず最近話題の動画投稿サイト“YouTube”でセーリングを検索してみた。

 

すると、470、モス、トーネードなどの快走シーンが沢山投稿されているではないか。セーリングの映像を見れば、少しは気持ちが落ち着くかなぁと思っていたのだが、それら迫力満点のプレーニングを見れば見るほど、乗りたい気持ちが抑えきれなくなってくる。

 

高校ヨット部でセーリングをはじめて以来、こんなにディンギーから離れたのは初体験なので、これほどディンギーに渇きを覚えるのも初めてだ。

 

 

という訳で、先日やっと休みを一日だけ搾り出し、琵琶湖で2時間ほど、レーザーでのセーリングを堪能した。

 

やはりキールボートとは水面からの距離が違う。久々のハイクアウトはきつかったが、スプレーを身体に浴びながらのセーリングは、夏の暑さと日頃のストレスを忘れさせてくれる。

 

学生時代は、夏の日中の殆どの時間をディンギーの上で過ごした。いまから思えば、すばらしく贅沢な夏の過ごし方。僕は中学のときも水泳部だったので、ずっと水中もしくは水上で学生時代を過ごしたことになる。

 

いくらメジャースポーツとはいえ、真夏のグランドで野球やサッカーをしている同級生たちの気持ちが、当時の僕にはとても理解できなかった。

 

 

 

 

この原稿を書いているのは8月初旬。実は一週間後には我が家に第二子が誕生する予定なのだ。

 

先月から僕の奥さんは長女を連れて、実家の栃木へ帰って出産準備を進めている。一ヶ月ほど独身生活となっている僕は、毎日奥さんから送られてくる娘の写メールだけが楽しみになっている。

 

どうやら娘は、実家の庭でおじいちゃんにビニールのプールを作ってもらって、そこで水遊びするのが日課となっているようだ。

 

「プールで遊ぶ!プールで遊ぶ!」

 

と、毎朝ダダをこねているらしい。そんな娘の姿を想像していると、それが生き物としての自然な姿なのかなぁと思えてきた。

 

 

 

暑いときは水を浴びる。だから僕も暑くなったから、本能的にディンギーに乗りたくなったのだろう。

 

そう考えると、ディンギーはオトナにとっての水遊びなのだ。こんな真夏にアスファルトに覆われた街中を歩くのは自殺行為だし、だからといって、家でクーラーを効かせて涼しさを維持しても、地球温暖化を促進するだけである。

 

夏はやっぱり水遊び。

 

皆さんも将来の地球環境を心配するのであれば、うちの娘を真似て「ディンギーで遊ぶ!ディンギーで遊ぶ!」と家族にダダをこねてみては如何だろうか。

 

僕は断言しよう。世界中のみんなが毎週末ディンギーに乗れば、地球温暖化は止まる!

 

 

 

 

 

 

 

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