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ディンギーノッてる?(KAZI連載)

 

『 レース委員長代理 』

 November, 2008

 text by Koji Ida

 

 

「よっし! オールフェアーだ!」

 

先日、とあるレースに運営スタッフとして参加した。

 

琵琶湖で行なわれたスナイプ級と470級の地方選手権なのだが、毎年この大会には僕は選手として参加している。

 

でも今年は、自分のフネをウルグアイでの国際大会のために輸送してしまったし、パートナーも子供の運動会と日程が重なったので、レースに出られなくなってしまったのだ。

 

出場できないのなら、せっかくの週末は家族サービスに充てたいところ。ただ僕はスナイプ協会の琵琶湖フリート事務局という役職をいただいているので、何もしないという訳にはいかない。

 

毎年はレース公示と帆走指示書だけを作ってしまえば、あとは県連さんにバトンタッチでオマカセしていたのだが、よし、今年は本部船に乗ってお手伝いしよう。まあ、運営スタッフの大学生たちと、旗を揚げたり、アンカーを上げたり、オシャベリをしながら御弁当でも食べたり。きっと楽しい週末になるぞぉー! と、期待していた。

 

 

しかしながら、大会初日はレース委員長がお仕事の都合で急遽お休み。いきなり僕がレース委員長代理として運営を仕切らなくてはならなくなった。

 

ナンテコッタイ。僕はセーリング競技を始めて二十年にもなるが、レース委員長みたいなことをするのはこれが初めて。楽しむだけのエンジョイレースなら気も楽なのだが、この大会は全日本予選も兼ねる重要なレースなので、上手く運営できなければ責任重大だ。

 

朝から湖面は弱気な僕を虐めるように、レースができるかどうかのちょろちょろウインド。自分が選手の立場だったら絶対にやって欲しくない風なので、とりあえずは回答旗を揚げる。

 

しかしながら、運営の立場としてはレースをやって大会を成立させないといけないし、どの時点で回答旗を降ろすか考えながら、ずっと湖面とニラめっこ。風待ちの間は「運営スタッフたちと楽しくオシャベリ」と思っていたのに、そんな余裕はまったくない。

 

 

昼前になって、やっと弱いながらも一定した風が琵琶湖を包んでくれたので、ドキドキしながらマーク設定した。

 

すると各マークボートから「風向は何度に設定?」「マークの距離は?」「スタートラインの長さは?」と無線で矢継早に質問が浴びせられる。

 

その質問の嵐にタジタジで回答して、やっとマークを打てたと思ったら「スタートは何時何分?」「旗はどうします?」と、今度は本部船のスタッフから煽られる。

 

やっとの思いでスタートに辿り着いたと思ったら、ゼネラルリコールでやり直し。「次のスタートは何分?」「旗はどうします?」と、またも本部船のスタッフから煽られる。

 

なんとか両クラスをスタートさせて、これでフィニッシュまで少しは休めるぞぉー、と一息つこうと思ったら、みるみるうちに風が落ちてくる。「コース短縮する?」「何処でフィニッシュとるの?」「ちゃんとS旗は積んでる?」「下マークが旗を積んでないから、誰かすぐに渡しに行って!」なんてドタバタのやり取りをして、ぎりぎりで下マークでのコース短縮に間に合った。ホッ。

 

午後からは少し風速が上がってくれたので、コース短縮することもなく2レースを実施できたが、あまりの大変さに、たった一日でクタクタになってしまった。

 

 

二日目は雷雨のためにレースができなかったので、結果的に初日の3つが今大会の全レースとなった。僕の不慣れと不手際を補ってくれた運営スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

 

それにしても、レース委員長って本当に大変な仕事ですね。今回だけでもいろんな反省をさせてもらいましたが、もっと難しいコンディションのときもあるでしょうし、いろんな状況に責任を持って素早く判断しなくてはなりません。

 

無責任な僕にはもう懲り懲り。来年は絶対に選手で参加しようとココロに誓うのでした。

 

 

 

 

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