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ディンギーノッてる?(KAZI連載)
『 箱根に学ぶ 』 February, 2010 text by Koji Ida
少し前の話になりますが、お正月の箱根駅伝。
大会の正式名称は、「東京箱根間往復大学駅伝競走」っていうそうですね。この駅伝のTV中継を、コタツの中で ボ〜と眺めるのが、僕の恒例行事になっています。往路(5区間108.0km)と復路(5区間109.9km)で競われるこの大学生の駅伝大会。うちの奥さんには、「他人が走っているところを観て、いったい何が楽しいのよ?」と、呆れ顔で聞かれます。
しかしながら、期待されたエースが体調不良でブレーキになったり、タイムリミットで母校のタスキを次の選手に渡せなかったり、来年の出場シード権がもらえる10位以内にギリギリで届かなかったり。
苦境に立たされたランナーたちに同情してしまう場面が、たくさん散りばめられています。
僕にとって、他人の不幸は蜜の味。
大したハプニングもない平凡な我が人生をハッピーと感じるために、箱根駅伝ほど素晴らしい見世物はありません。可愛そうな出来事が起きないかと、じっとテレビの前で待っているのです。僕の性格って、素敵なくらいに最低ですね。
ところで毎年のことなのですが、お正月が来るたびに「箱根駅伝って、セーリング競技の全日本インカレによく似ているなぁ」と感心しています。そう思う人は僕だけじゃないはず。
個人競技である徒競走を団体の成績で競うところは、まさしくヨットのインカレ団体戦そのままです。花の2区や山登りの5区にエース級が投入される往路は、現在のインカレ470級に似ているかも。スナイプはどっちかっつうと復路でしょうね。シブいところで実力が問われます。
絶対的なエースの活躍で躍進するケースもありますが、チーム全体がしっかり纏まってないと優勝には辿り着けません。これは箱根駅伝もヨットのインカレも同じ。単純な個人結果の足し算なのに、チーム力とか団結力とか、そんなものが鍵を握っているみたい。
駅伝のブレーキは、ヨットでいえばリコールや失格での大量失点。無理をせず、気負い過ぎず、普段の実力を出せばいい。そんなことは選手の誰もが分かりきっているのに、なぜかブレーキになり、リコールしちゃう。ヨットのインカレも嬉しいくらい可愛そうな出来事が満載なので、観ている側も魅力を感じ、惹かれるのでしょう。
僕も大学時代、インカレ本番で ブレーキばっかりでした。当時、期待して応援してくれた皆さん、本当にごめんなさいね。昔のことだから白状しますけど、とくに反省はしておりません。
こんなに似ている箱根駅伝と大学ヨットなのだから、もっとヨットのほうを盛り上げるために箱根を真似したらどうでしょう。
インカレ団体戦も、上位チームに翌年シード権を与えたら、もっと熱いレースになるはずです。インカレは片クラスだけでも出場できますが、箱根では往路だけ出場するチームなんか有りえない。ヨットのインカレもクラス毎でなく、両クラスの総合成績で予選を争わなきゃ。
両クラス総合優勝を目指すのと、片クラスだけに専念するのでは、活動の内容が ぜんぜん変わってきます。部員数や諸事情で片クラスしか構成できないチームにも目標や希望を与えなければならない、というのも分かるけど、それだとインカレはいつまでも中途半端。予選の出場校が減るのは避けられませんが、全チームが総合優勝を目指すような大会が理想ではないでしょうか。そうすることによって、インカレ個人戦のステイタスも上がると思うのです。
僕ごときが今のフォーマットを否定するようなことをヘラヘラ書いたら、みなさんに怒られるでしょうね。
でも多分、来年の正月も同じことを考えている。コタツの中で、わくわくと箱根ランナーに起こる不幸を待ちながら。■
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