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ディンギーノッてる?(KAZI連載)
『 ぼくの妄想 』 July, 2010 text by Koji Ida
日本中が寝不足と戦ったサッカーW杯。 読者の皆さんは、もうW杯の結果を知っているんでしょう。 日本はパラグアイに勝ったんですか? どこまで勝ち上がったの? 優勝は一体どの国? もしかして日本が・・・。
この原稿を僕は、日本が1次リーグ突破を決めたデンマーク戦の翌日に書いています。キックオフの午前3時半ピッタリに起床して、興奮しながら試合経過に釘付けです。日本が勝ち、その興奮冷めやらぬ中、出勤のため少し早めに家を出ると、もう子供たちが公園でサッカーボールを並べてフリーキックの練習をしていました。
「オレ、本田やし!」 「じゃあオレは遠藤やな!」
なんて宣言しながらボールを蹴飛ばします。
そんな子供たちを微笑ましく眺めながら、ふと我にかえって、、ああ、セーリング競技でも日本中がこんなに盛り上がる大会があったらいいのに・・・と、羨ましく感じてしまう僕なのです。
そういえば、セーリング競技ではサッカーW杯のようにナショナリズムを昂らせてくれるイベントがありません。(僕が知らないだけでしょうか)
国対抗という対戦形式が、僕らの隠れている愛国心を刺激してくれるのでしょう。サッカーW杯だけでなく、野球のWBCも同じだと思います。
セーリング競技も、五輪だけに頼らずに(どうせ他のメジャー競技の影に隠れちゃいますからね)、独自で盛り上げられる国対抗のレースイベント「セーリングW杯」を企画し、実行しなければいけないぞー!と、軽はずみな思いつきで提案します。
(ここからは僕の妄想です)
まずはルールを不変のものに固定します。アメリカズ杯のようにコロコロ変わってはファンのココロも逃げていきます。
例えば45ft程度のモノハルボートでボックスルール、乗員は10名850kg以下。フネやセールの設計製造は他国で行なっても、乗員は全員出場国の国籍を有すること。
フネのルールが変わらなければ、資金力のないヨット後進国でも前回大会の中古艇を買って出場できますから、大会規模が膨らみます。えっと、細かい規則はページ数と締切までの時間不足、僕の知識不足により省略。
フリートレースとディスタンスレースを織り交ぜた得点で競い合い、最後は上位2チームのマッチレースで世界一のヨット国を決めるレースイベント。
しかしながら、フネを作ってレースをやるだけでは、国民に「自分たち庶民には関係ない、お金持ちの道楽」としか思ってもらえません。
ちょっと前、米メキシコ湾原油流出問題を起こしたBPの最高責任者が休暇をとってヨットレースに出ただけで苦情が殺到してましたね。あれがスポーツジムで汗を流していたのだったら誰も文句言わなかったのに。ヨットとは、お金が掛かる故に間違ったイメージや誤解を受けやすいスポーツ。だからといって、お金を使わずにヨットレースをするのは不可能に近い。
ですので、お金持ちを妬むココロの狭い僕のような庶民たちの賛同を得るために「出場チームは艇の開発製造費の10%を寄付しなくてはならない」というルールを付け加えます。このお金を地球温暖化対策などの事業体へ寄付します。
速くていいボートを作るという行為が、単なる贅沢な消費ではなく、社会貢献になっている。このルールによって、ヨットレースの負のイメージが解消され、企業スポンサーの協力も得やすくなる。そして大会開催や出場は国民から支持され、代表セーラーは尊敬され、世界中の注目を集めるイベントとなるのだ。
(あくまで僕の妄想)
まあ、「そんなの実現できないよ」「やっても所詮ヨットはマイナーだから」って、みんなに笑われるでしょう。
でもサッカーだって、日本ではJリーグが始まるまではマイナー競技扱いでした。あのときJリーグを立ち上げた人たちも、きっと笑われたんでしょうね。アナタも、こんな僕の妄想を笑いますか。
夜中にテレビでセーリングW杯を観戦して、興奮して朝練しに家を飛び出す高校ヨット部員たち。
そんな風景が見てみたい。 ■
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