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ディンギーノッてる?(KAZI連載)

 

れの強風おじさん』

 September, 2011

 text by Koji Ida

 

 

年の12月から始めた、週一回のレーザーセーリング。

三日坊主常習犯の僕なのに、なんとか今でも続いてて、毎週欠かさずとは行かないまでも、それに近い頻度で海へ出ている。

 

いやぁ、これが非常に楽しい。

仕事に、育児に、町内会の役員業務。そんなアラフォー世代の多忙な日々の中で、セーリングは一番の息抜きだ。

 

ヨットに乗ることが、こんなにストレス解消になるなんて。いままでレースだけを目的に活動していたときは、結果のみを目指していたので、言うなればヨットに関わるすべてのことがストレスだった。それが今では正反対。次ぎの週末が待ち遠しくて仕方がない。一体いつから僕はこんなにヨットが好きになったのだろう。なんだか不思議な感覚なのだ。

 

しかしながら、始めた頃は季節的(冬)なこともあり、「順風くらいで爽やかに乗るのが心地いい」と感じていたのだが、夏が来て気温も水温も上昇すると、身体がうずいて順風くらいでは物足りなくなってきた。少なくとも7m/s以上は吹いてもらわないと。そんな強い風に乗って、リーチングでバンバンとウェイブトップを弾きながら、スプレーを浴びてプレーニングするのが最高に気持ちいい。

 

クローズホールドは全く興味なし。とくに強風のクローズなんて、ハイクアウトは辛いし、波に叩かれるし、まさしくストレスの塊。なにが楽しくて風上へ帆走らなければならいのだ。

 

大航海時代、帆船が有力な輸送手段だったころは、風上航の性能向上は重要な課題だっただろうが、21世紀の僕らには関係ナッシング。よく考えると、ディンギーレースの勝敗を決める要素は、スタートと、ファーストマークへの風上航の出来が8割以上を占めている。

 

だから練習もクローズホールドばっかり。

ストレスだらけのクローズばっかり。

 

これじゃ競技人口は増えませんな。最も魅力的なリーチングがコース長の8割を占め、風速が7m/s未満ではレース中止。そうならなければ、ディンギーレースの未来はないのだよ。(根拠なく断言)

 

最近、雑誌やネットに掲載される若いセーラーたちの記事を読むと、たまに「軽風が得意なので」というコメントに遭遇する。おいおい。それって、「ぼくは強風ダメなんです、とても弱虫なんですぅ」と言っているのと同義だよ。僕が若いときには口が裂けても言わなかったな。どんなに強風がイヤで怖くても、「レースの日はライバルみんなが吹き飛ばされるぐらいの強風になって欲しいっすね」と威勢を張っていたものだ。

 

一番を決めるなら、強い風の中で、セイルボートが一番速く走るコンディションで勝負しなくっちゃ。そうでないと本当の一番は決められないぜ。その考えを信じて疑わなかった。どうしちゃったんだろうね、いまの若い子は。草食系ってやつですか。あっ、でも女性はいいんですよ、軽風重視で。女の子はライトエアーが速いほうが、僕は好きです。(個人的趣味)

 

まあ、戯言は置いといて、50歳になっても、60歳になっても、強風の中をディンギーで飛び出していって、プレーングを楽しむオジサンでいたい。最近そんなことを夢見ている。

 

吹きすぎて陸上で待機する学生たちが、堤防越しに、ひとり沖でかっ飛ぶ僕を眺めながら、「あのオジサン、昔はレースでも凄かったらしいよ」なんて噂される。そんな素敵なオジサンになりたいなぁ。でも昨日、3m/sの風で2時間乗って、筋肉痛で身体中が痛むのです。アイタタタ。理想にはほど遠いのだ。 

 

 

 

 

 

 

 

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