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アラフォー帆走生活(KAZI連載)

 

も歩けば、全日本』

 December, 2011

 text by Koji Ida

 

 

 「コイツねぇ、こう見えても昔はヨットの全日本チャンピオンだったんですよ」。

 

僕が仕事で初対面の取引先に御挨拶するとき、会社の同僚たちがそんな形容をつけて紹介してくれる。

 

過去形なのが癪に障るが、まあ悪い気はいたしません。

 

そうなんですよ、わたくし仕事以外はバツグンなのです、といった感じで、お調子に乗っちゃう僕なのです。

 

ただ、セーリング競技をちょっとだけ知っている人などは「でもヨットって沢山の種目があるでしょ?」と意表を突いた質問をしてきます。

 

ええっと、僕はスナイプ級っていう二人乗りの種目なんですが、確かに他にもいっぱいありまして・・・。

 

そんな具合に、たどたどしく回答しながら、自分でもどれだけあるのか分かっていない。

 

という訳で、真面目な僕はインターネットで調べてみました。

偉いでしょ。

 

 

 

今シーズンに行われた、“全日本”とか“全国”というワードが大会名についたヨットレースは、40以上もありました。

 

おお、すげぇ数ですね。

 

おそらくこれらの大会は毎年行われているでしょうから、日本セーリング界はそれだけの全日本チャンピオンを毎年量産しているわけです。マイナー競技のくせに。

 

そう考えると僕の過去の称号なんて、まったくもって価値はゼロ。とっても薄っぺらいものに感じてきました。

 

 

 

ちょっと多すぎじゃないですかねぇ、全日本選手権。

 

予選のある全国大会って、国体と高校総体と大学選手権を除くと、スナイプとヨンナナとOP級の全日本選手権くらいでしょうか?(他にもあったらゴメンナサイ)。

 

エントリー費を払えば誰でも出場できて、しかも10チームくらいしか出てなくて、それで全日本っていうのもねぇ。

 

ただ、その種目を盛り上げるためには、それなりの冠をつけた大会が必要でしょうし、イベントを開催される側は大変なご苦労があるでしょうし。

 

表面だけで批判的なことを書いてはいけません、本当にごめんなさい。・・・でも、やっぱりねぇ。

 

 

 

「選手権大会」という言葉の意味を辞書で引いてみると、「ある競技や種目で、最優秀選手や団体を決める競技会」とあります。

 

だとすると、その勝者がいかに優秀な競技者であるか、が選手権の価値となります。

 

やはり、大会が全日本を名乗るのであれば、参加するセーラーの底辺を全国に広げて、予選などで出場選手の競技レベルに基準をつくり、その大会や種目のステイタスを上げる、という活動が必要だと思うのです。

 

言葉にすれば簡単ですが、すっごく大変なことですよね。

 

でもやはり、名前だけ付ければいいってもんじゃない。

 

 

 

ところで今回、インターネットで調べてみて、自分の無知さを知りました。

 

「全日本セーリング選手権大会」っていう大会があったのですね。

 

僕が知らなかっただけですが、名前から想像するに、まさしくセーリング競技の日本一を決定する頂上決戦大会。

 

国体の開催地で、その前年に実施されるプレ大会に組み込まれているんです。種目は国体シングルハンド級、シーホッパー級SR、国体ウィンドサーフィン級の3つ。

 

過去のレース公示が見つからなかったので参加資格は不明ですが、きっと僕が知らないだけで、出場するには厳しい予選を勝ち抜かないといけないんだろうなぁ。きっと僕が知らないだけで、全国すべてのセーラーがこの大会で勝つことを夢見ているんだろうなぁ。

 

でも、KAZI誌でこの大会の記事を読んだことがないぞ。

 

何をやっているんだぁ、編集部の皆さん!

唯一の専門誌でしょ!

来年は全力を傾注して、この全日本セーリング選手権大会を取材し、巻頭カラー20ページくらいで記事を掲載することを命じます。

大会名からして、それくらいの価値はあるはずだから。

 

えっ?

オマエはそんなこと書くから怒られるんだぞって? 

 

それもきっと、僕が知らないだけなのでしょう。 

 

 

 

 

 

 

 

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