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アラフォー帆走生活(KAZI連載)

 

金のはなし』

 March, 2012

 text by Koji Ida

 

 

きなりですが、お金が掛かりますよね、ヨットって。

 

ディンギー用のあんなに小さいブロックやカムクリートでさえ、何千円もします。考えてごらんなさい。それ1個分あれば、セレブが集う高級リストランテで、素敵なランチが楽しめてしまうのですぞ。

 

独身のころは「カネでレースに勝てるなら買ってやろうじゃないかぁー」と後先考えず購入しておりましたが、結婚して子供ができ、我が家でオコヅカイ方式が適用されてからは、物理的に不可能。セーリングって、やっぱりお金持ちの趣味なのですね。

 

これまで、庶民の立場でヨット界の将来を(勝手に)心配してきた僕ですが、いまや自分のフネ(推定船齢30年のレーザー級)を維持するので精一杯。これからは、お金を持ってる人が、そのお金を使って、この業界を盛り上げていってくださいな。何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

ところで、「日本のヨットレース界も、もっとプロ化を促進しなければ・・・」なんて話を時々耳にします。

 

海外のセーリング先進国では、プロセーラーがウジャウジャいるみたいですし、ネットの動画ニュースなどで、それらの選手が活躍する派手なレースが毎週のように紹介されています。

 

そりゃあ憧れますよね、プロって響き。

やりたいことをやって収入を得る。カッコイイなあ。

 

でも、いるじゃないですか日本にも。キールボートの大きなレガッタになると、プロっぽい人たちが沢山乗っています。

 

皆さん、ノーギャラじゃないんでしょ?

いくら貰っているんですか?

相場って、どれくらいよ?

 

下衆な質問でスミマセン。この国唯一の専門誌で、この話題は怒られますよね。苦情はワタクシ個人まで。

 

 

 

そんな僕も、実はレースで日当を貰ったことがありました。10年くらい前、知人に誘われて参加した某所でのヨットレース。チームのボースンさんから渡された茶封筒を開けてみたら、1万円。やったー。これで僕も有料クルーの仲間入りだー。

 

まあ残念ながら、それが最初で最後でしたけど。やっぱりプロスポーツとは、実力と人気が要求される商売。僕のように無愛想なニセモノには、無縁の世界なのです。

 

でも、自分のセーリング技術に対価を支払ってもらうのだから、その金額を隠す必要はないですよね。逆に自慢するべきでしょう。あまりお金の話をしたがらないのは、控えめなジャパニーズの国民性なのでしょうか。そんなことに気を遣っているようじゃ、プロ化なんて永遠に無理ですな。きっぱり諦めてしまいなさい。

 

例えばジャパンカップに挑戦するようなチームは、いったい年間いくら必要なのか。みんなが、いくら払って、いくら貰っているのか。そんな情報がオープンになっていないと、そこへ飛び込んでいくオーナーやセーラーは増えないと思うのです。プロフェッショナルとは、それを職業とすること。収支のよく分からない仕事や事業には、誰も手を出しません。もしかしたら、「えっ、そんな低予算でレースに参加できるの? 案外安いじゃん、俺もオーナーになっちゃおうかなあ」、なんて人がいるかもしれない。(いないと思うけど)

 

こんなこと書いたら、「じゃあオマエ、この原稿料はいくらなんだ、言ってみろよ」と責められるに違いない。ですから僕が先陣をきって、編集者の許可なく、包み隠しながら申し上げましょう。一回で、某私学K塾の創設者様おひとり分。さあ、どうだ。本当に書いてやったぞ。スゴイだろ。

 

「そんなに安いの?もっと貰ったらいいのに・・・」と思われたアナタ。モノの価値をご存知ですね。月末までに、その差額分を僕の口座へお振込みください。

 

「高すぎる!それならオレがもっと面白いコラム書いてやるぞ!」と憤慨したアナタ。舵社まで是非ご一報ください。どっちが面白いか、勝負してやろうじゃないか。

 

これぞまさしく、弱肉強食のプロの世界。ヨットでも、そんなお金の話ができて、やっと本当のプロフェッショナルでしょう。

 

 

 

 

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