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アラフォー帆走生活(KAZI連載)
『 先輩後輩、そして同期』 December, 2012 text by Koji Ida
11月のはじめ、土曜日の朝早く。外はまだ真っ暗だ。
始発電車に乗るために、新西宮ヨットハーバー前の自宅から駅を目指して自転車をコキコキ。
この日は、琵琶湖で行われている全日本インカレ団体戦の大会三日目。母校ヨット部のホームウォーターなので、OB会が大応援団を結成するのです。このために、OB会でプレジャーボートを借りました。応援に訪れるOB&OGたちを、母校合宿所の桟橋から沖の観覧船クルーザーまで運んだり、お弁当を運んだりするための足舟です。
今回の僕の役割は、この足舟の運転手。ヨット部を卒業したら、みんな海から離れて海技免状も更新しないので、免許持ちがナカナカいない。というわけで、いつまでもしつこく海から離れない僕が任命されました。まあ地元での開催なので、些細な仕事でも貢献できれば幸いです。そんなに忙しくもないだろうし、後輩たちのレースをゆっくり観戦しながら、久々の琵琶湖を楽しみましょう。
と思っていたら、スットコどっこい。 OB&OGの皆さん、本当に時間バラバラでやってきては、すぐに僕を呼びつける。「おーい!早く来んかーい!レースが終わってまうやろー!」はいはーい、今すぐ行きますよー。ちぇっ、折角マーク回航を見ようと思っていたのに。ねぇ先輩、フネに乗るときはその船が出港する時間までに、出港する場所まで来ましょうよ。それが一般常識っていうか、ぶつぶつぶつ・・・。そんな気持ちを奥歯の奥に噛み潰して、笑顔でお迎えにあがるのです。コンチャースッ! 僕、永遠の一年坊主。乗り移るために観覧船クルーザーへ横付けしようとすると、またまた先輩たちが「こらー、もっと減速や!いやっ前進や!ちゃんとしっかり運転せんかーい!」。えっとですね先輩、僕も今日このボートを初めて運転するんだから、そんなに上手くできませんよ、ぶつぶつぶつ・・・。そんな気持ちをココロの奥の奥のずーっと奥に包み隠して、笑顔で応えます。スミマセーン、次しっかりやりまーす。
で、お昼の時間になったので、今度はお弁当配り。観覧船が4〜5隻いますので、乗員数を数えて、順番に配ります。応援に駆けつけた卒業生の中には、当然ながら僕より年下の後輩も沢山います。その後輩たちに「○○さーん、お弁当お持ちいたしましたー」と、厭味ったらしく大きな声で伝えます。後輩たちは、ペーペーで働く僕に恐縮してペコペコ。それを見てから、おらー!お前らもちゃんと働かんかーい、と先輩風をびゅんびゅん吹かせるのです。すみません、こうやって後輩をおちょくるのが好きなのですね。面倒くさい先輩でアイムソーリー。
日曜日も、朝一番で琵琶湖に来て、足舟ボート船長のお仕事です。ですが、この日はさらに応援団の人数が増えたので、最終的に僕の足舟ボートも観覧船になってしまいました。僕のボートに乗っていただいたのは、現役チームの監督を務めている、僕より7つ上の先輩の同期の皆さん6名様。昔話に花が咲き、フネの上の談笑が盛り上がります。先輩たちはヨット部を卒業して25年目。そんなに年月が経過しているのに、頑張っている同期の監督を応援するために集まったんですって。なんだか、とってもいい風景。
そんなこんなで、バタバタ忙しくて殆ど観戦できませんでしたが、こうやって母校の応援団のお手伝いをして、久々に下級生気分を味わうのも、たまには良いものですね。どうせ数年に一回のことですし、近くでやるときくらいは働きましょう。
で、来年はどこでインカレやるんですか? えっ、西宮? 僕の自宅の目の前でやるの? 本当に? ふーん。・・・。
えっと、いまの話、無かったことにしてください。 ■
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