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アラフォー帆走生活(KAZI連載)
『 帰省』 January, 2013 text by Koji Ida
2012年11月。僕の地元、鳥取県境港でスナイプ級の全日本選手権が開催されました。風がビュンビュン、波がドンぶらコッコの日本海です。
こんなチャランポランな僕なのに、なぜかスナイプ級のクラス協会役員になっておりまして。地元のセーリング連盟にも怖い先輩が沢山おりまして。そんな立場上、運営のお手伝いをしないわけにはいきません。僕の動きを感知して、Kazi誌編集長からも大会レポートのオファーが入りました。
というわけで、金曜日に会社を休み、午前2時に西宮の自宅をクルマで出発。娘たちは小学校や幼稚園があるので、今回は僕ひとりでの帰省です。仕事で疲れた身体に鞭打って、真っ暗な中国ハイウェイをミッドナイトラーン。午前6時にレース会場となる境港公共マリーナに到着です。
すでに大会は初日のレースを終えており、この日が二日目。とりあえず、地元の皆さんにご挨拶。えっと、ただいま帰ってまいりました。とってもご無沙汰しております、ぺこり。今回はKazi誌の取材もしないといけないので、できれば写真が撮れるボートに乗せて欲しいんですけど・・・。「なにを偉そうに。Kaziの取材だと? カッコつけやがって・・・ぶつぶつぶつ」。昔と同じように怒られます。県立境高校ヨット部に入部したのは25年前なのに、いまだ地元での扱いは一年坊主。
兎にも角にも、なんとかラバーボートに乗せていただき、いざ沖へ。ハーバーを出ると、あいにくの曇り空で大山は見えませんでしたが、その裾野から弓状に伸びる砂浜で包まれた、広々とした美保湾。とってもビューティフル。僕はこんな素敵な場所で18歳までを過ごしたのですね。いまさら気づく絶景なのです。
レースの方は、最終の日曜日が天候悪化でキャンセルとなってしまったのですが、それまでは素晴らしくいい風が吹き、運営の皆さんのご尽力により大成功で幕を閉じました。一番うれしかったのは、僕がここで育ったと知る選手のみんなが「イダさん、すっごくいい海ですね」って声を掛けてくれたこと。そうでしょ。いい海でしょ。えっへん。
この数年、結婚して子供が出来てからはバタバタ忙しくて、ろくに帰省もできず、ハーバーにも顔を出せませんでした。だから、最初はちょっと後ろめたくて来づらかったんです。でもやっぱり僕の故郷はここなんですね。このハーバーでみんなの顔を見ると、怒られながらも、なんだかとっても自分らしくいられるような気がします。たった三日間でしたが、懐かしい仲間たちにも会えました。高校時代のスキッパー(僕、FJ級のクルーをしておりました)、同級生や先輩後輩。当時、ヨットや海のことを教えてくれた恩人たち。僕がしばらく来ない間に、新しい若い人たちも増えていました。
地元の海と、仲間たち。日本中のセーラーに胸を張って紹介できるものが、僕にはある。もう何年もまともに帰省していなかったので“仲間”という言葉を使ったら、みんなに怒られるに違いない。でも許してくださいな。だってやっぱり、みんなの仲間でいたいんだもの。 ■
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