|
BACK NUMBER esseys of sailing and life. |
|
|
アラフォー帆走生活(KAZI連載)
『 ボランティーア!』 May, 2013 text by Koji Ida
三月のとある週末。 母校の大学ヨット部OB会が主催するディンギーレースが琵琶湖でありまして、お手伝いのボランティアをさせていただきました。といっても、レース運営のお手伝いしたわけではなくて、週末の二日間、ひたすらソーセージを焼いておりました。
4年前に自らの企画ではじめた、ヨットレース会場でのホットドッグショップ。予想以上に好評で、毎年の僕の役割(義務)になってしまいました。(セーラーとしての役割は既に消滅)。
業務用のスーパーで食材を大量に仕入れて、我が家のBBQ用の屋外コンロとフライパンを持参して、ソーセージをカリッカリッに焼くのです。それをパンに挟んで、お客さん自身でケチャップ&マスタードを自由にかけてもらいます。今回も二日間の合計で300本以上を焼き上げて、レース後に選手皆さんへ振る舞いました。
食材の費用は大会側で負担してもらっているので、選手にはもちろん無料でご提供。原価は1個あたり\100以下で出来ますので、そんなに大きな支出にはなりません。ソーセージは冷凍されているものを仕入れるので衛生面も安心です。我ながら良い企画だと自負しております。えっへん。コンビニでも買えるような何の変哲もないホットドッグですが、レース直後のアツアツは美味しさが格段に違うのですよ。どうぞ皆さんも、このレースに奮って出場してくださいませ。次回のご来店をお待ちしております。
ですが、このボランティアも楽な仕事ではありません。まだまだ寒い春の琵琶湖の畔で、朝からせっせと準備します。ブースの設営やソーセージの下茹で。僕の家族や大学ヨット部時代の同期や後輩、現役大学ヨット部員の女子マネさんたちにお手伝いをお願いして、結構な重労働を強いるのです。食材をすべて焼き終えて、ブースの片付けが終わった頃はもう真っ暗。みんな疲労困憊でボロボロです。沢山の人を巻き込んで、本当にアイムソーリー。
選手がレースから帰ってくるまで、お手伝いしてくれるスタッフに振る舞う試食の食材費はすべて自腹です。自宅(西宮)から琵琶湖までの交通費も自腹。ただでさえ少ない僕のお小遣いがどんどん無くなっていくのです。僕はなぜ、こんな辛い想いまでしてボランティアなんかやっているんだろう。
「それは、選手たちがもっともっとヨットレースを楽しんで欲しいからさ!」 。
なんてことを書いても、信じてもらえませんよね。 はい、そのとおり。真っ赤な嘘です。僕にそんなピュアな動機がある訳ナッシング。
いつか僕自身がレースに復帰して、もしも誰かとケースしてしまったとき、「ごめんなちゃい」で許してもらうためなのです。才能のないセーラーが頂点を獲ろうと思ったら、出来る限り敵を作ってはいけないんですな。いつでもどこでもグッドパーソンを演じて、「あんないい人を抗議したら、なんだか悪いよね」とすべての相手に思わせる。
がっはっは。すべては自分の為なのです。僕は勝つために手段を選ばない、日本一の偽善者セーラー。
というわけで、今回ホットドッグを食べてった選手の皆さん、何処かのレースで僕とぶつかっても、抗議なんてしないように。だって、タダより高価なものはないのだから。 ■
|
|
|
esseys of sailing and life. BACK NUMBER |
|