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アラフォー帆走生活(KAZI連載)
『 おもてなしセーリング 』 September, 2013 text by Koji Ida
巷で流行っている「県庁おもてなし課」という本を読みました。
さすが売れっ子の作家さんが書かれる物語だけあって、とっても読みやすくって、面白い。僕ごときの駄文とは大違いだ。まあ、比べること自体が失礼ですね。
海の日の三連休。近所の友人家族を連れて、僕の実家、鳥取へ一泊旅行をすることになりました。当然のように、ご当地出身の僕がツアーガイドになるわけです。そこで、皆にどんな「おもてなし」をすれば、楽しい旅行になるのだろうか・・・と悩み出したのが、この本を書店で手に取った理由なのです。
ストーリーは高知県が舞台になっており、読んでみると、うんうん、鳥取と一緒だ。自然以外に何もないけど、自然だけはある。それを目一杯に紹介できれば、素敵な観光になるのですね。それなら、海水浴に温泉、そして地元の郷土料理。変に飾らずに、ここでしか楽しめないものを、どどーん!と満喫していただこう。二日目は土砂降りの大雨で予定したスケジュール(鬼太郎ロード)をこなせなかったのですが、そこはまあケセラセラ。また次回の楽しみに残しておいてくださいな。というわけで、この参考書のお陰で、僕のふるさと案内ツアーは大成功なのでした。ああ、良かった良かった。
えっとですね、僕の旅行ガイドの話はどうでもいいのです。
この本を読んで、「これはセーリング界にも共通する物語ではないのか?」というのが言いたかったのですよ。魅力的なものは沢山あるのに、それを周囲に紹介するのがヘタクソ。この物語の中の高知県も、僕らのセーリング界も「人を呼び込む」という課題を抱えているのに、それが上手くできていない。そう意識して読み出すと、この本の中に、競技人口やヨット愛好者を増やすヒントがいろいろ詰まっているように感じたのです。
たとえば、トイレのお話し。来訪者が心地よく過ごしてもらえるように、ヨットハーバーのトイレは綺麗に整備されているか。この本によると、食とトイレはセットだそうです。女性は水周りにはとってもシビアで、トイレが汚いところには再訪しないらしい。そして、女性が来るところには、男性は勝手に集まる。だから皆、ハーバーのトイレは綺麗に使いましょう。
それと、インターネットでの情報発信のお話し。JSAFや関係団体などのホームページに、「ヨットを始めるには?」といった案内が分かりやすく掲載されているか。僕も、とあるクラス協会のウェブを作っているのですが、そのサイトには、すでに競技を始めているセーラー向けの情報ばっかりで、これから始める人のための情報はまったく掲載できていない。反省して、すぐにそんなページを作らなくっちゃ。
こんなことを考えながら、ひとつ思い付きました。もしも、これから全国で行われるヨットレースすべてに、レース公示で「ボートに乗ってレースが観覧できます、申込み先はこちら」という案内を掲載してみたら、どうだろう。専用の観覧艇が準備できなくても、本部船や運営艇に乗ってもらい、そこで「おもてなし」を実行するのだ。
僕らはもっともっと観てもらう努力をしなければいけない。そして、ちょっぴり運営のお手伝いをしてもらいながら、海を体験していただき、ヨットレースに触れてもらう。陸にあがってから、缶ビールで乾杯して、お疲れさーん。そんな「おもてなし」はどうだろう。出場する選手も、こんな企画があれば、自分の家族や友人たちをヨットハーバーに連れて来やすくなるんじゃないだろうか。
「また次回も来ていいですか」 「今度はヨットに乗ってみたいんですが・・・」
そう言ってくれる人がひとりでもいれば、おもてなしは大成功だ。 そんな、日本全国おもてなしセーリング。 いかがか。 ■
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