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アラフォー帆走生活(KAZI連載)

 

『 キャンプ&セイル 

 August, 2014

 text by Koji Ida

 

 

日、初めてのファミリーキャンプに挑戦した。

 

我が家は小学生の娘ふたりと奥さんの四人家族。

僕は唯一の男として、皆をリードしなくてはならない。

だからキャンプを企画した。

 

文明に慣れた日常から離れ、本物の大自然の中で“生きることの本質”を子供たちに学ばせたい。

 

ついでに父親としての威厳を示し、「パパって頼もしいね」と言わせてみせるぞ。

 

日頃の家庭内での低評価を覆すのだ。

そんな不純な動機で家族をキャンプへ誘い出しました。

僕の自己満足のための道連れとして。

 

 

 

テント道具を買い揃え、キャンプ場を探し、自炊のメニューを考える。この準備の時間が一番楽しいのですね。

 

僕が最初のキャンプ場に選んだのは、とある高原の山奥深く。

インターネットで調べた予約不要のキャンプサイト。

自宅からクルマで3時間。

到着すると、GWなのに他のキャンプ客は数組だけで、正真正銘の穴場だった。

 

やった。本物の大自然を貸切だ。

ここでなら僕が望んだリアルな野営生活ができるはず。

初っ端から興奮するキャンプ・ビギナー(僕)なのです。

 

 

 

ただ理想と現実は違うもの。

はじめてのテント設営で、僕が取扱説明書を読んでいる間に、奥さんが子供たちに指示を出して、とっととテントを組み立ててしまった。

 

自炊の調理も奥さんがテキパキとこなし、僕の出番はありません。

消灯後、夜の獣(小動物)の足音に怯えて「あわわ」と過敏に反応し、その臆病者ぶりを娘たちに笑われる始末です。

とほほ。父親の威厳、まったく示せず。

 

でもまあ、それでいいじゃないかと自分を慰める。

良い家庭は母親がしっかりしているものだと言われるし、子供たちも自然の素晴らしさを感じてくれた。

はじめてのキャンプとしては大成功だ(と思いたい)。

 

 

 

すみません。本誌に無関係な話しが長くなりました。

何が書きたいかと申しますと、今回の準備のために書店で入門書を探していたら、巷ではにわかにキャンプ・ブームが到来していることを知ったのです。

 

このブームに、僕ら(セーリング業界)も便乗できないのか。

最近のオシャレな若者たちは、トレッキングやツーリング、コンサートの野外フェスなど、趣味を共有する仲間で集まって、思い思いのヒッピーなスタイルでキャンプを楽しむのだそうだ。

 

セーリングでも、キャビン付のボートやヨットの所有者なら、クルージングで船中泊を楽しめる。だが、そんなフネを持たない多くのディンギー乗りには縁がない。僕もレース活動であちこちへ遠征したが、宿泊はすべて格安のホテルや旅館。レースでの疲れを取り、翌日に備えるため、テントを張って野営しようなどという発想は有り得なかった。

 

 

 

でも、今ならいいんじゃないか。

日本にも、順位だけを競う片意地を張ったレースばかりじゃなくて、旅とセーリングの両方を楽しむイベントがもっと増えても悪くない。その中で、「キャンプ&セイル」というスタイルがあったら面白い。風に恵まれずレースが出来なくたって、ヨット仲間とのキャンプが楽しければ大成功だ。シングルハンドやセーリングカヌーの愛好家では、すでにそんなグループが生まれているみたい。その輪をもっともっと大きくして、日本中に広げられないだろうか。

 

そんな企画があれば、ぜひ僕も家族を誘って参加したい。

そこでなら、今度こそ父親の威厳を示すことが出来るかもしれない。

 

山のキャンプでは大失態だったので、次は海でリベンジなのだ。■

  

 

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