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アラフォー帆走生活(KAZI連載)

 

『 エンジョイの副作用 

 September,2015

 text by Koji Ida

 

 

 

多へ転勤で引っ越してきた今シーズン。

ずっと出場したいと思っていた「タモリカップ」に参加する機会を得ました。

 

3回目を迎える福岡大会。

海をこよなく愛するタモリさんが主催する“日本一楽しいヨットレース”と題したイベントです。

 

いったい何が、どれくらい楽しいのだろう。

それは出てみないと分からない。

長年こんな連載を書きながら、ヨットレースのあり方を考え続けてきた僕としては、とっても興味深々でありました。

その念願のタモリカップに出られるなんて、いやぁ、引っ越してきて本当によかった。

 

 

まずはサタデーの前夜祭。

いつもは無機質なコンクリートの空き地となっている小戸ヨットハーバーのバースエリア。

そこに特設ステージと客席テーブルがところ狭しと並べられて、巨大なパーティースペースに大変身。

有名サルサバンドの皆さんが昼間から猛暑の中で汗だくになってリハーサルをしてくれています。

 

そして、夕暮れとともに宴がスタート。

パーティーの参加者は1000人を越えていたのでしょう。

こんな大勢のヨット仲間たちと料理をほう張りながら、ビールを飲んで、ラテンの音楽に酔いしれる。

こりゃ楽しいわ。

 

無理やり連れてきた僕のファミリーも、大いに盛り上がり喜んでくれました。

こりゃ楽しい。

 

タモリさんが海の仲間たちに用意してくれた、すんごく楽しいビッグパーティーだ。

 

 

続いて日曜日。

レースのスタート前に、参加ヨット全艇による海上パレードです。

みんな自分たちのフネを思い思いにデコレーションしたり、愉快なコスチュームを着たりして、岸辺で観覧するタモリさんや観客たちを楽しませようとしています。

それはまるで、前夜のパーティーのお返しのようにも見えました。

なかなかいい風景だ。

昨夜はタモリさんに楽しませてもらったが、今日はセーラーたちが勝手に手作りで楽しんでいる。

 

“日本で一番楽しいヨットレース”とは、出場したら誰でも楽しいのではなくて、自分たちで好きなように楽しむ、ということなのか。

 

 

そしてレース本番。

「じゃあ、今日はメイントリマーをよろしくね」と、スタート前に告げられました。

ありゃりゃ。ディンギーの元全日本チャンピオンという肩書きを持つと、周囲にはなんでも出来ちゃうスーパーセーラーに見えるのでしょうか。

僕、そんな難しいポジションやったことありませんよ。

でも、まあいいか。

失敗を恐れて、できることだけやっても面白くないですもんね。

未経験なことはチームの皆には内緒にして、はじめてのメイントリマーを楽しむことにしたのです。

なんだかドタバタで失敗と反省ばかりでしたが、とりあえずは無事にレースを完走できました。

はじめてのポジションをやり切った充実感で、カラダの疲労も心地いい。

 

 

大会の趣旨は、勝ち負けよりも楽しむこと。

ですからクルーの誰かがミスをしたときも、いつもなら「バカヤロー!」と怒鳴ってしまうところですが、「ドンマイ、すぐにリカバリーして次を頑張ろうぜ」となってしまうのです。

クルー全員が「楽しむ」という言葉を意識するだけで、ココロが広くなったり、新しいことにチャレンジできたり。

いろんなことを前向きに、ポジティブに考えられるようになるんですね。

 

 

アハハ。すごくいいじゃないか。

最大限に楽しむことを目的としたヨットレース。

タモリさん、本当にありがとう。

なにか大きなヒントを貰った感触です。

こんなイベントに参加できたことを幸せに感じつつ、いつまでもその余韻にひたる僕なのです。

 

えっ?

ところでレースの順位はどうだったのかって? 

 

野暮な質問はやめてくださいよ。

その話題はぜんぜん楽しくないので、割愛させていただきます。■

 

 

 

  

 

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