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アラフォー帆走生活(KAZI連載)

 

『 セーラーとしての復興支援 

 June,2016

 text by Koji Ida

 

 

 

月に発生した熊本と大分での地震。

14日午後9時の前震のとき、僕は鹿児島に出張中で仕事仲間たちと芋焼酎を楽しんでいた。大きな揺れに驚いたが、ちょっと深酒で酔いが回っていたので、事態の深刻さに気付いたのは翌朝だった。

 

ホテルの部屋。テレビでの報道ニュースを観て、すぐに博多の自宅へ戻ろうと思ったが、新幹線や高速道路での帰路が絶たれ、飛行機もすでに空席がなく予約ができない。唯一残されたのが、鹿児島から宮崎→大分→小倉と、九州の東岸をローカル特急で乗り継ぐルート。

 

多くの人が僕と同じ境遇で、客室は座りきれないほどの乗客で溢れている。博多まで8時間も掛かったが、無事に家族のもとに帰れただけでも有り難い。

 

でも、やっとの思いで我が家へ辿り着いたのに、16日未明の本震で福岡も大きく揺れ、携帯電話から緊急地震警報が鳴り続き、ほとんど眠れずに夜を過ごした。翌日以降もずっとテレビでは被災地の中継映像が流れ、被害の大きさと、避難生活を強いられる人たちの心労に胸が締め付けられる。一日でも早い復旧と復興を願うばかりだ。

 

 

 

市役所が半壊した宇土市は、1999年に熊本国体のセーリング競技会場となり、多くの競技関係者がここを訪れている。僕もその前年に実業団の全日本選手権で宇土マリーナへ遠征した。所属チームが準優勝という好成績を収めたこともあり、とても印象に残るゲレンデだ。そんな思い出の場所が被災している映像は見ていて心苦しい。

 

この地震は、九州でのゴールデンウィークのセーリングシーンにも少なからず影響を与えている。福岡で予定されていたキールボートレース「九州カップ」は、4月17日に実行委員会から中止が発表された。

 

福岡だけでなく、九州各地からの遠征チームが参加する大会なので、余震が続き交通機関の復旧が見通せない状況では、開催中止は仕方のない判断だ。2年毎に開催されるイベントで、それを目指して準備やトレーニングを進めてきた人たちのことを考えると、本当につらい決断だったと思う。僕自身も参加する予定を組んでいたので、残念な気持ちで一杯だ。

 

 

 

でも、いつまでも自粛ムードに包まれてはいけない。

セーリング界に限らず、多くの著名なアスリートや文化人が積極的なイベント開催と活動継続を呼びかけている。今回の地震では、新幹線と九州自動車道という九州の大動脈がその真ん中で絶たれたことで、九州全域の観光や経済に影響を及ぼした。本当に復興を願うなら、すべてにおいて自粛などしている暇はない。我々セーラーは、やはり海に出ることで復興を支援すべきと思うのだ。

 

九州カップの中止は残念だが、九州でのヨットレースはまだまだある。メジャーどころでは、7月には鹿児島での火山めぐりヨットレース、8月には長崎でのハウステンボスカップ。これらのレースへ皆で積極的に参加し、九州の海と風に揉まれ、アフターレースでは九州地産の食材&酒で大いに労をねぎらい合おうではないか。鹿児島では黒豚ときびなご料理に芋焼酎、長崎では皿うどんに壱岐の麦焼酎を堪能してもらいたい。

 

これ以外にも、各地域でのクラブレースもあるだろう。クルージングだって、九州には魅力的な島めぐりのルートが溢れている。この舵誌においても、そんな九州でのセーリングシーンを紹介し、盛り上げていって欲しい。

 

 

 

福岡に移り住んで2年目で、まだまだ九州ビギナーの僕ですが、すでにこの土地の自然と海に魅せられている。九州と、九州のセーリングのために何かがしたい。僕ごときにできることは無いかもしれないが、何ができるかを考えよう。■

 

 

 

 

 

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