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[column] 鷸が跳ぶ |
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005 「真剣帆走 真剣悦楽」text by Koji Ida
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皆さんは知っているだろうか。スナイプに「モットー」があることを。
Serious Sailing, Serious Fun
国際スナイプ協会(SCIRA)が定める、この種目のモットーである。日本語に訳せば「本気でセーリングし、本気で楽しむ」といったところであろうか。まあ、単なるキャッチフレーズと思えば、何でもないことなのであるが、この意味を真剣に考え、勝手に解釈するなれば、このモットーを守れている者こそが、真のスナイプセーラーということになる。
ただ、これを実践するのは難しい。“Serious Sailing”の部分は、殆ど皆が出来ているであろう。ワンデザインのレーシングディンギーであるスナイプに乗っているのであれば、その目的は「レース」が殆どであり、レースに出る以上は勝ちたいと思うであろう。勝ちたいと思えば、自然と本気になる。本気の度合いは大小の差があるだろうが、スナイプ乗りは殆どみんな真剣である。
しかしながら、もう一つの“Serious Fun”については、どうだろう。スナイプに乗っている人間は、みんな本当に楽しんでいるだろうか。艇の特性を見ても、スナイプはそんなに速く帆走る訳ではないし、ハイクアウトは「楽しい」の反意語みたいなものである。更に、日本における競技人口の大半を占める大学体育会ヨット部員にとっては、「楽しむ」とは「怠ける」の類義語として、タブーのように教えられているのではないだろうか。
勝手に極論づければ、このようなモットーが無いなら、楽しまなくたって良い。結果が全てだ。歯を食いしばって、眉間に皺を寄せて、眉を釣り上げて、海でも陸でもライバルを睨み付けて、結果だけを出せば良い。だが、このモットーがある以上、スナイプに取り組む選手達は、真剣にレースに取り組むことと同じように、この「楽しむ」の部分も徹底しなくてはならない。このことについて「ウチの大学は厳しいから・・・」などという言い訳を私は許さない。
という訳で楽しみ方をいろいろ考えなければならない。レースや練習の終った後の会話や食事、遠征先でのお店探しや普段は会えない遠方の友人達との会合も楽しいひとときである。セーリング自体を楽しむことは当然として、チューニングを考えている時間、艇をピカピカに磨いている時間、それらも一つの楽しみ方である(楽しいと感じるなら)。自分なりの楽しみ方を考えて、どんどん実践してみよう。
今後、大会を運営される方も「楽しみ方」「楽しませ方」を考えてみて欲しい。ディンギーレースのスタイルって、何十年も進歩していないように思える。どんどん新しいことを取り入れて、参加して楽しい、観に行って楽しい、そんなレースが実現できれば、ヨット競技はより良いものとなるだろう。 大会期間中、総合トップの選手は“リーダーライジェケ”みたいなものを強制的に着せたり、本部船にトップ10までのリーディングボードを掲示したり・・・。暫定でも、誰が今一番で、どういった点差なのかが、選手達の中でも分かるようになっている方が面白いと思う。 一番して欲しいのは、着艇したスロープ横に生ビールサーバー。有料でも良いから、是非やって欲しい。海外でも実際にやっているし・・・。アルゼンチンに行った時なんかは、レイデー(予備日)に選手全員が強制的に貸切り観光バスに乗せられて、ファームで会食をした後に国対抗でサッカーの試合をさせられた。身体を休める予定だったレイデーに、身体をボロボロにすることになったのだが、今までの遠征で一番楽しかったと思える時間であった。 上記は極端な例であるが、海外の人は楽しみ方、楽しませ方を知っている。日本でも、そのようなレースが増えれば、どんなに楽しいことだろう。
真剣に結果に拘ることと、真剣に楽しむこと。この二つがメリハリを持って共存している状態が、Serious Sailing, Serious Fun であると思う。レースで結果が出なかった時でも、もう一つの「楽しむ」で快走できれば、あなたはトップスナイプセーラー。そうは言っても、一番楽しい瞬間は、レースに勝った時なんですよね。■
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