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[column]  鷸が跳ぶ

 

011 名前を付けよう!

 

text by Koji Ida

 

 

年あけましておめでとうございます。2004年は皆さんにとって、どのような年だったのでしょうか。私にとっては最高に嬉しいこともあり、まあまあ哀しいこともあり、±ゼロって言うよりは、少しだけプラスかなぁ、というような感じでした。2005年になって、去年のことは取り敢えずリセット。お腹についた皮下脂肪だけは、すぐにリセットできませんが、気分を入れ替えて、新しい一年を頑張りたいと思います。

 

2005年、新たなシーズンがやって来ます。蒲郡でのスナイプワールドで、初の日本人チャンピオンが生れるか。江ノ島での自艇参加によるインカレは、一体どのような展開になるのか。博多湾での全日本スナイプで、加原・上田ペアが3連覇を達成するのか。いろんな見所がありますが、ご存知のように スナイプというセーリング種目は「観る者」ではなく「やる者」で競技人口が形成されています。「やる者」達が切磋琢磨し、「観る者」を惹きつけられるところまで、レベルを高めていって欲しいと思います。

 

いう訳で、新しい年を迎えたことですから、新しい気持ちでレース活動に励みましょう。ですが季節は冬。海上に出られる日は、どうしても限られてしまいます。こんなときはコタツの中で、来たるシーズンに向けて、色々なことを考えてみては如何でしょうか。セッティングのことでもいいし、練習方法でもいい。年間で出場するレースを考えながらスケジュールを練ってもいい。まあ、そんなことは誰でもするでしょうから、少し違う提案。あなたの乗るボートに、名前を付けてみては どうでしょう。

 

艇名を付ける。そんなこと、既にしている人も多いでしょう。個人でスナイプを所有している人は、殆ど名前を付けているかもしれません。ですが、日本の場合は個人所有よりも、学校や自治体で所有している方が多いかと思います。そんな艇に乗っている選手達は、艇に名前なんて つけていないのではないでしょうか。艇名を付けるなんて、少し古臭く感じるし、ちょっと恥ずかしいし、オタクっぽいし・・・。

 

すが、名前を付けることによって、ボートに命が吹き込まれたかのような錯覚を感じさせます。まるでそれは、関西出身の人間が飴玉に愛情を込めて「アメちゃん」と呼ぶ現象と似ています。えっ、全然ちがう?

 

という訳で、現在筆者の乗るボートの名前は「Kintoun」。公表するのは恥ずかしいですが、西遊記に出てくる筋斗雲のことです。筆者がマンガ好きだからといって、ドラゴンボールZから引用した訳ではありません。何処でも行きたいところに、何よりも速く、私達を運んでくれる乗り物。という意味の名前を付けようと考えていたら、この名前しか出てきませんでした。

 

2003年の世界選手権に出場する際、今のボートを造りました。大会のあったスウェーデンのビルダーにオーダーして、現地で大会直前に受け取りましたので、日本にいる間は整備も何も出来ません。ですから、どんな名前を付けるかをずっと考えて、どんなロゴにするかをずっと考えて、そのボートがワールドで快走する姿をずっと想像していました。

 

その願いが通じたのか、実力よりも少しだけ夢に近いところへ、このボートが私たちを運んでくれたような気がしています。

 

ナイプ王国であるブラジルの選手は、みんな自分のボートに名前を付けています。レースにエントリーする際も、このボート名でエントリーします。艇に名前を付けていることが、強さの秘密かもしれません。

 

名前を付けることにより、そのスナイプという無機質のカタマリに、命が吹き込まれます。命あるものは、限りあるもの。限りあるものは、大切にしなくてはなりません。ボートに名前を付けることにより、その艇を今以上に大切に出来るようになるはずです。

 

大学生の皆さんは、今年から自艇参加での全日本インカレに戻ります。それに向けて、新艇を購入されるチームも例年以上に増えるでしょう。その新艇に名前を付けるのもいいし、既に古くなってしまっている艇に、今から名前を付けてみてもいいでしょう。自分の情熱を積み込む乗り物を、5桁や下3桁の数値で呼び分けるべきではないような気がします。自分が乗るスナイプに、そのスナイプと心中でもするつもりで、名前と命を吹き込んでみては如何でしょうか。より良き一年にする為に、一度だけでも ご検討を。■

 

 

 

 

 

 

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