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[lecture] 続、徒然なるままに |
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002 センスtext by Koji Ida
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セーリング競技の指導者が選手を評するときに、「この子はセンスがある」とか「もっとセンスがあれば・・・」と表現されるのをよく耳にする。
でも、センスって何だろう。
この意味を定義できない指導者が、センスが有るとか無いとか言って、勝手にセーラーの可能性を判定してはいけない。
辞書を引くと(センス [sense] 物事の微妙な感じや機微を感じとる能力・判断力。感覚。)とある。
前項では、風とボートスピードの変化を捉える「感覚」について述べた。単語としては同義であるのだが「センス」と書くと、もっと広い範囲であるように思わせる。
競技スポーツをする上で重要になってくるのは、
@ 情報収集能力 A 思考力・判断力 B 運動神経 C 身体能力 の4つである。
@は、視覚や聴覚などの五感を働かせて、必要な情報を収集する能力。前項で述べた「感覚」がこれにあたるだろう。海面のコンディションや自艇のスピードの変化、ライバル艇の動きなどから必要な情報を感じ取る能力。
Aは、得られた情報から現状を把握し、次の変化を予測して、とるべきアクションの選択肢を複数あげて、最良のものを最短時間で判断するロジカルな思考力。また、その判断のための知識習得や理解力。
Bは、その判断に基づいて、身体をどう動かすべきかイメージし、そのイメージどおりに身体を動かせる能力。
Cは、イメージどおりの動きを実現させるために必要な筋力、持久力、柔軟性。
「センス」という表現を使うと、もって生まれた先天的なものというイメージで捉えてしまうが、@は前項で述べたように概ね視覚から得られる情報を整理するものである。Aは学習と反復により「経験」という形で積み上げて、レベルアップできる。BもCも、海上練習やフィジカルトレーニングによって、かならず向上できるものである。
国内でのディンギーレースをみると、レース結果は@ABの差によって左右されることが殆どではないだろうか。@ABは拮抗し、最終的にCの差で勝敗が決せられるというところまでは、我々の競技はまだ成熟していない。
「センスがない」と言われる選手は、どこでそう評されてしまうのだろう。
セーリングフォームが格好悪い。 タックなどの動作がぎこちない。 レースでヘンテコな方向へ帆走ってしまう。 ミート艇など周囲を見ていない。
そういったシーンを見られて「センスがない」と判断されているのではないだろうか。それらのシーンは@ABのいずれか、もしくは複数が上手く処理できていない状態なのである。
「乗る姿勢は足をもっと閉じて、肩のチカラを抜いてみな」
「タックのときはティラーを切換すとき、エクステンションをちょっと短く持ち直したら切換しやすくなるよ」
「テルテール5、メインのリーチ2、ウィンドの向こうを1、くらいの間隔で、はじめは数えながら視点を移動させてみたら?」
センスがないと思わせている要因をしっかりと観察して見極め、簡単なアドバイスをしてやるだけで、すぐに改善できることがあるかもしれない。
誰でも最初から出来るわけではないので、習慣として身につくまで、繰り返し注意することも必要だろう。
指導者の指示と、選手の意識で、「センスがない」といわれる状態から脱出できるはずである。
もしも頼れる指導者がいないのであれば、ビデオ等で自身の練習風景を客観的に観察し、自分で自分をコーチングすればいい。
「センス」という言葉は、優秀な選手の優秀たる理由と、そうでない選手がそうでない理由を、手っ取り早く説明するために用いられている。筆者はあまり使いたくない言葉だ。
「ファッションセンス、おかしいんちゃう?」
「本当にギャグセンスないよね・・・」
筆者もずっと言われ続けているので、本当にきらいな言葉だ。 ■
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