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race report 011

 

 

全国各地で行われている大学ヨット部同士の定期戦。定期戦、と聞くだけで「伝統」という二文字が脳裏に浮かぶ。はたして、伝統とは一体なんなのか。そんな想いを抱きながら、湖上で12艇だけのレースを眺めてみた。

 

 

text & photographs by Koji Ida

 

期戦。多くの大学ヨット部は、インカレとそれに向けたオープンレースだけがレース活動ではない。特定の友好校と、毎年行なう定期戦を繰り返して、スキルアップを図っていく。チーム数は、2校戦であったり、4校戦であったり、7校戦であったり・・・・・・。いろいろなスタイルで行われているが、その「少数校での団体戦」という試合形式は、個人戦としてのフリートレースよりも、勝敗をくっきりと分け、チームとしての課題を色濃く浮かび上がらせる。この定期戦の結果と内容により、次のレースへの改善点を抽出し、最終的な大学選手権へと積上げて行くのである。

 

しかしながら、定期戦は毎年繰り返されるものである。その長い間 継続されたという「伝統」により、そのレースの価値は、単なるスキルアップと、友好を深める為の交流試合に止まらない。その勝敗は、選手やOBたちの感情に大きな起伏をもたらすイベントになっている。

月の連休明けの翌週末、母校ヨット部のヘッドコーチという役柄上、関関同立戦を観戦する為に、琵琶湖へ足を運んだ。この週は、長い休みの間に蓄積された、膨大な量の仕事をこなし、疲労困憊なのであるが、第一レースのスタート時刻が、始発電車に乗ることを強制してくれる。そんな辛い想いをしながら早起きをさせるのも「伝統」の効力なのであろうか。

 

関関同立とは、関西に住む経験を持たれた方はご存知と思うが、関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学、の関西私立四大学のことを表している。ヨット部としては、関関が西宮、同立が琵琶湖で活動している。

 

四校とも、全日本インカレ優勝経験を持つ伝統校である。しなしながら、近年の470級、スナイプ級、総合、というスタイルでインカレが行われるようになってからは、琵琶湖の2校しか優勝していない。その最近の流れを裏付けるように、同志社、立命館、のあとを関西学院、関西大学、が追うレース展開となった。

かに、現時点では琵琶湖水域の方が比較的レベルが高いのかもしれない。だが、ビックボートの世界では、西宮が日本の中心地となっている。プロセーラーも多く集まるロケーションだけに、これからディンギー界でも、西宮の発展が期待される。この水域から、そろそろインカレ常勝チームが出てきてもおかしくない。

 

学生選手たちは、正直言って、まだまだ未熟である。伝統のある私立校では、昔ながらの上下関係の厳しさが残り、非常にピリッとしたクラブ運営が出来ているのだが、その厳しさに溺れているチームも少なくないのでは、と思わせる。競技の世界では、勝者が偉いのであり、年長者が偉い訳ではない。順位が悪かったペアで、先輩スキッパーが後輩クルーに手をあげる場面を何度か目撃した。「負けたのはお前の責任」と決め付けているのだろうか。レース結果の責任所在を理解できる人間は、こんなレベルの低いレースで後ろを帆走ったりはしない。筆者のような若輩ものがこんなことを書けば、関係者から御叱りを受けるだろう。だが、指導者の方には「まずは自分に厳しくなれる選手とチーム造り」を目指した指導をお願いしたい。厳しければ良いというものではない。意味のある厳しさ、質の高い厳しさ、を目指して欲しい。

 

まだ5月の中旬ということもあり、4月に勧誘した新入生の面倒にアタフタしている風景も見受けられる。これからの技術向上を期待し、全日本インカレのときには、観ている方もハラハラするような、隙のないハイレベルなレースが観戦できることを願う。

 

 

 

の週末の土曜日の晩、各校OBたちの懇親会が開かれた。その会の直前に、筆者がこの宴会の司会に任命される。休みの日も、なぜか会社でのそれと同じ役割である。集まった老若男女のOBたちで、昔を語り、いまを語り、今年を語り、未来を語る。なかなか楽しいひとときであった。伝統とは、なかなか楽しいものである。はじめなければ、それには成らず、やめてしまえば、そこに成らない。はじめた先輩に感謝し、繋いだ自分を誉め、やめない後輩にまた感謝する。■

 

KKDR Annual match =Snipe class=    

 

 

1st

同志社大学

156

 

2nd

立命館大学

197

 

3rd

関西大学

314

 

4th

関西学院大学

350

 

 

 

13races(no cut)

14-15 May 2005

 

 

 

 

 

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