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race report 012

 

 

 

 

例年の微風シリーズのイメージを破り、風に恵まれたコンディションとなった第6回セイルヒロシマ。学生と社会人選手が一緒に帆走り、繋がりをもつ貴重な機会の一つとして定着しつつあるこの大会。今年は470級、スナイプ級、合わせて86艇が広島湾に白帆をあげた。

 

text by Maori Hirakawa

photographs by Sail Hiroshima

 

 

回で、第6回目となったセイルヒロシマ。今年は、470級に、地元広島出身で昨年アテネオリンピック出場を果たした吉迫選手(ベネッセコーポレーション)、スナイプ級に、世界選手権への出場が決定している白石選手(ノースセールジャパン)を招き、470級40艇、スナイプ級46艇、総計86艇が広島県立観音マリーナに集まった。同志社大学・福岡大学など学生トップレベルの選手を含む学生主体のレースだが、実業団からの参加艇数も充実してきた。同志社ウィークや西日本ヨットウィークと並び、学生と一般が一緒にレースをし、繋がりを深める貴重な機会の一つとして、その知名度も年々増してきている。

 

大会期間の2日間は、例年のセイルヒロシマにおける微風のイメージからすれば、思いがけない風に恵まれた。2日間を通して、4〜7m/sの風で、予定されていた8レースすべてが消化され、1カットされた7レースの合計で勝敗が競われた。

 

 

 

 

 

 

 

リーズ中、初日は比較的安定した南風、2日目は陸から吹くブロー性の北風という異なるタイプの風が吹いた中、優勝を勝ち取ったのは、白石/平山(ノースセールジャパン)。白石選手は、去年に引き続き二位以下を圧倒的なスコアで引き離しての優勝となった。表彰式後の挨拶では「蒲郡ワールドに向けていいトレーニングになった」と話し、世界選手権への意気込みを感じさせた。大舞台まで二ヶ月をきり、その活躍に期待がかかる。

 

次いで二位につけたのは、地元広島湾で活動している安森/森本(三菱重工広島)。三位は同じく横田/岡村(三菱重工広島)。学生トップの長谷川/古川(福岡大学)は2点差で4位となり、惜しくも学生選手の入賞には至らなかった。

 

今回のセイルヒロシマでは、両日とも、最終レースは陸上から観戦できる海面で行うことが予定されていた。これは、日本ではいまだマイナー競技の域を出ないヨット競技を、もっと広く世間の人々に知っていただこうという意図で計画されたもの。初日は最終レース直前に風がなくなり残念ながらAPAとなったが、2日目は、台風4号の影響と思われる北風に恵まれ、上マークはかなり陸に近い位置でレースが行われた。初めての試みと言うことで、観客こそ少なかったものの、日本全体のヨット競技の競技力向上には、世間のヨット競技への興味関心が欠かせない。ヨットについて世間がもっと理解を示してくれるようになれば、それは将来のヨット界を底辺で支える力となるはずだ。また、一握りの競技者の世界にとどまらず、ヨットのことを知らない外部の人たちにも繋がりを求めていくことで、求める側にも新しく見えてくる世界があるだろう。アテネオリンピックでのメダル獲得をきっかけに、ヨット界の側から世間に繋がりを求めていくという意味で、今回の試みはその第一歩となったといえそうだ。

 

方、マイナー競技であることを逆手に取れば、日本のヨット競技の初心者達は恵まれている、とも言えるだろう。マイナーであるがゆえに、初心者がトップレベルの競技者と一緒にレースをする機会があるからだ。初心者と一流選手が繋がりをもてるスポーツ競技は珍しい。同じレースに出れば、大会期間中、同じハーバーの敷地で過ごし、同じ海面を帆走ることになる。短い期間ではあっても、自然と交流する機会は出てくる。

 

例えば海の上。今回のシリーズでは、2日間を通して瀬戸内海特有の潮流の影響が大きかった。思いがけなく強い潮流にアプローチを失敗して何度もタックし直したり、マークタッチをしてしまう学生選手が多く見られたが、こういう場面では初心者と経験者の差が顕著に現れる。学生選手は、恵まれた環境をもっと積極的に利用して、トップセーラーの帆走りをよく観察し、自分たちのセーリングをさらに磨いていく努力をして欲しい。

 

 

 

 

 

にセイルヒロシマでは、例年レースの前後に招待選手とのミーティングの場が設けられている。陸の上でも、トップと初心者の繋がりを深める場が用意されているのである。初心者側から自由に質問をし、トップセーラーとの繋がりを深める絶好のチャンス。このような機会に、互いに交流を深め、技術をどんどん繋げていけば、それはヨット界全体の底上げにも繋がるだろう。競技者に限られた世界で見ても、「繋がり」は重要な要素の一つと言えるのだ。

 

ヨット競技者の間での、初心者とトップセーラーとの繋がり。さらに、ヨット競技者と、未だヨットを知らない人たちとの繋がり。そして、ヨットという乗り物自体が、自然と人間とを繋いでいる。繋がるところから、すべてが始まる。今回のようなレースをきっかけに、色々なものや人がもっと繋がって、ヨット界全体が発展していくことを強く願う。■

(文中敬称略)

 

Sail Hiroshim 2005

 

 

1st

白石/平山(ノースセール)

10

 

2nd

安森/森本(三菱重工広島)

39

 

3rd

横田/岡村(三菱重工広島)

45

 

4th

長谷川/古川(福岡大学)

47

 

5th

井川/白川(マツダ)

52

 

6th

前田/楠本(マツダ)

54

 

7th

上田/高田(小川労働管理事務所)

63

 

8th

安部/山近(シルトロニック・ジャパン)

70

 

9th

出道/久保(同志社大学)

76

 

10th

藤井/中田(広島大学)

78

 

 

 

 

 

  8races(1 cut) 4-5 Jun 2005

 

 

 

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